市民タイムス7月掲載「知っておきたい遠近両用メガネの話」第3話

第3話 「中近メガネの構造と使い方」

老眼対策のメガネとしては、生活のほとんどの場面に対応できる遠近両用メガネが一般的ですが、より快適な視生活を実現するために中近メガネを併用する場合があります。

中近レンズの構造図

中近メガネは遠近両用メガネの設計技術を応用して作られたメガネで、設計上は中間部が20mm~25mmと長く、遠用部が狭い構造になっています。視線のほとんどが中間部と近用部を使うことになります。その結果、お手元からパソコンの画面あたりが遠近両用メガネより広い視界になります。遠用部が狭いのと度数が連続的に徐々に変化している中間部で少し離れたところを見るため、遠いところが少しぼやけたり、遠近両用メガネの見え方に慣れていると、使い始めの時に少し離れたあたりの見え方に違和感を感じる場合があります。では、中近メガネはどういう時に便利かと言うと、長時間のデスクワーク、細かいものを見る場合、また、50代後半以降で遠近でパソコンの画面をアゴを上げて見て疲れる等の場合に便利です。室内程度の距離ならだいたい見る事ができ、掛けたまま歩けます。中近レンズは、近く重視の設計や、遠くもある程度見える設計など、設計上の特徴が遠近両用レンズ以上にハッキリしています。また、メガネ店での度数の決め方やメガネフレームへのレンズのセット位置でも見え方がだいぶ変わります。それで、中近メガネを作る場合は、使用者とメガネ店でよく意思疎通をしておかないと、思惑通りのメガネにならない場合があるので要注意です。遠近両用メガネの場合もそうですが、メガネ店に相談に行く前に、現在見え方でどういう時に不便を感じているか、パソコンを長時間使うか、その場合のパソコンのモニター(画面)の目からの距離や高さなどを説明できるように整理しておくのが良いと思います。

ほかには、近々メガネというものがあります。老眼鏡に少し奥行きを持たせたメガネです。用途はほとんどパソコンを使うとき用で、特に老眼がだいぶ進んだ60代以降でパソコンを楽に見たい場合です。掛けたまま歩くのには適していません。

あと、老眼鏡を使う場合、既製老眼鏡は安くて便利ですが、目のためには測定に基づいた正確な度数と、瞳とレンズの焦点の正しい位置関係から作られたメガネをオススメします。


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