レンズ

❐当店のメガネは「薄型単焦点レンズ+フレーム」のメガネ一式価格で店頭表示しています。この時の薄型単焦点レンズとは近視や乱視、遠視や老眼の補正用のレンズで、遠近両用メガネや中近メガネはこの価格に加算価格となります。以下はその価格表(レンズ2枚加算価格表)です。すべて税込価格です。

また、ご自身のフレームにレンズを入れるレンズ交換は別価格表となります。

 

表は「タップとピンチアウト」や「クリック」で拡大します

<表の上部、遠近/中近の説明>

❐タテが素材別になっていて、屈折率1.60が薄型、1.67が超薄型、1.74が最薄型になっています。

屈折率が上がるほど、薄く軽くレンズが仕上がります。薄型は中程度の近視や遠視、超薄型はもう少し強めの近視や遠視、最薄型は強めの近視や遠視の方におススメです。

❐ヨコは設計のグレード別になっていて、大きなカテゴリーとして内面設計と両面設計、さらにベーシック、セミカスタム、カスタム、フルカスタムとなっています。一言でいうと、フルカスタムに向かって、側方の収差(ぼやけ、ユガミ)が改善され広い視野になります。

 

<表の中部 単焦点レンズの説明>

❐タテの素材区分は上表の遠近/中近の説明と同じです

❐ヨコは設計のグレード別になっていて、現在主流の(片面)非球面設計、さらに進化した両面非球面設計、両面非球面カスタム設計となっています。両面非球面カスタム設計に向かって度の強めのレンズで発生する側方部(横の方)の収差(ユガミ等)が改善され快適な視野が確保され、さらに薄さ軽さや強度レンズの周辺部のウズなどが改善されます

 

ここからは遠近/中近レンズの設計について詳しく説明していますので興味のある方は確認ください。

 

「外面(累進)設計」⇒「内面(累進)設計」⇒「両面(複合)設計」

 

従来の遠近や中近レンズの主流は累進面(徐々に度が変わっている領域)が外面(レンズのおもて面)でした。現在の主流はに内面(うら面)で、さらに最新の設計は両面(複合)設計です。

 

遠近レンズや中近レンズの設計の基本要素として、「累進面」と個々の使用者の「近視/遠視や乱視度数」に分けられます。従来の外面設計の遠近や中近は、レンズのおもて面に一定の累進面を予め作っておき、注文後うら面を研磨して個々の度数(近視/遠視や乱視度数)を仕上げていました。1対1の個々の度数と累進設計の対応ではなく、1つの累進設計に複数の個々の度数となって、設計上の微妙なズレが生じていましたが、設計技術や生産技術的にこのような作り方が限界でした。

 

1990年代、セイコーエプソンで初めて累進設計と個々の度数設計をレンズのうら面にすべて設計し、それを量産する「設計技術」と「生産技術」が確立されました。

この技術革新により、

1.個々の度数設計に最適な累進設計が融合された理想的な遠近や中近レンズとなった

2.レンズのうら面に設計することで視野が広がった

さらにその後の進化につながる

3.レンズの性能を高めるため研究開発される光学理論が設計や生産に反映しやすくなった

4.メガネ使用者の個々のフレーム形状データやメガネの装用条件データを取り込んだ設計や生産が可能になり、インディヴィジュアル化(カスタム化)が可能になった

 

このような背景のもと、上記の遠近/中近レンズの表を説明すると、

 

◇内面設計の「ベーシック」は、上記の技術革新によって生まれた内面設計レンズの量産化(大量生産)で価格引き下げが可能になったレンズ

◇内面設計の「セミカスタム」はベーシックに光学理論として以下を加味したレンズ

・「アドバンストアスフェリック設計」様々な方向に視線を向けた時の眼球の姿勢を考慮

・「近用内寄せ可変設計」中間部から近用部は徐々に内側に寄せた設計になっているが、使用者の度数に合わせて近用内寄せ量を変化

・「3Dリアルシュミレーション」顔を左右に動かし対象物を見た時のユレ、ユガミをシミュレーションし性能バランスを最適化

◇両面設計は、内面累進設計をベースにおもて面も使ってうら面と複合的に光学性能を高めたレンズで以下の光学理論が加味されています

・「クロスサーフェイス設計」レンズを通して見ると物の大きさや形がタテ長になったりヨコ長になったり実物と少し違って見えますが、中間から近用で元通りに感じるよう工夫していて自然な視界となっています

・「全度数最適収差バランス設計」遠視系の人は、凸レンズの拡大効果で、ユガミを大きく感じやすいので、ユガミを抑える設計、近視系の人には、ユレ、ユガミより視野幅が重視される傾向が多いので視野幅を重視した設計

両面設計の中でセミカスタム、カスタム、フルカスタムの3グレードは、用途に応じて選べる設計の種類、メガネフレーム装用データ(目とレンズの距離、レンズの傾き角度、フレームの反り角など)などの個々のデータの取り込みが、フルカスタムに向けて多くのデータを反映した設計になっています