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遠近メガネは遠近(だけ)ではない

遠近メガネ、英語ではbifocals(バイフォーカル)、いずれも昔からの言い方で、1760年ころにベンジャミン・フランクリンによって遠近メガネが発明されて以来の言い方です。あまり一般的ではありませんが、現在の正式名称は累進屈折力レンズ、英語ではprogressive lensです。遠近レンズは長年「上部に遠用部、下部に近用部の、境目のあるメガネ」でしたが、1950年代に境目のない遠近レンズ(累進レンズ)が開発され、現在遠近といえばほぼ累進レンズですが、今でも名前だけは日本語でも英語でも昔からの遠近メガネ(bifocals)となっています。

両者の大きな違いは、遠くと近くだけにピントが合う2焦点か、遠くから近くまで全部の距離にピントが合う累進多焦点かということです。上部の遠くを見るエリアと下部の近くを見るエリアをつなぐ、徐々に滑らかに度が変わる中間部があることが特徴です。

この新しい遠近メガネ、正確には累進屈折力メガネは誕生してから60年あまりですが、その間進化を遂げてきました。1980年代ドイツのツァイス社による両眼視が快適になる水平対称設計や、1990年代セイコーエプソン社のフリーフォーム設計・生産技術による内面累進レンズなどが主で、その結果、現在遠近メガネと言われているメガネは、技術の結晶として格段に使いやすくなった累進屈折力メガネです。

老眼について

老眼とは普段メガネをかけていない人(裸眼で遠くが見える人)が近くが見づらくなる状態、普段メガネをかけている人(近視で裸眼では遠くが見づらい人)がメガネを掛けた状態で近くが見づらくなる状態をいいます。

なぜこのような言い方をするかというと、老眼とは水晶体の硬化や目の筋肉の衰えで、目が遠くから近くまでピントを合わせられなくなった現象ということでは全員同じなのですが、元々の目の特徴により、実生活で生じる不具合がマチマチなためです。

詳しく説明します。目の特徴はだいたい4種類に分けられます。

「正視の人」若いころからメガネに無縁の人。

「遠視の人」強い遠視でない限り正視と同じように若いころからメガネに無縁の人。

「弱い近視の人」遠くは少し見づらいので、若いころからメガネを持っているが、中には普段は掛けず運転の時だけ掛ける人もいる。

「強めの近視の人」メガネがなければ遠くが見えないのでほぼ常時メガネかコンタクトレンズを使っている人。

皆さんもこのなかのどれかに当てはまると思います。私は弱い近視の人です。だいたいの比率ですが、実は正確な統計がないので、普段の仕事の経験からの推測です。正視の人35%くらい、遠視の人15%くらい、弱い近視の人25%くらい、強めの近視の人25%くらい。つまり若いころからメガネやコンタクトレンズを常用している人は弱い近視の人の半分くらいと強い近視の人で40%くらい。

本題の老眼についてですが、

正視の人は45才くらいから、遠視の人はもう少し早くから近くが見づらくなります。50代では絶対に対策が必要となり、主な対策としては、手元用メガネを掛けるか、遠近両用メガネ(中近メガネや遠近コンタクト含む)を使うかです。

弱い近視の人で遠くは少し見づらいが普段メガネを掛けてこなかった人は、40代では近くは大丈夫ですが、50代になると近くが見づらいことがあり、50代半ばからは絶対に対策が必要となります。対策は正視や遠視の人と同じです。

弱い近視の人や中程度の近視の人で普段メガネを掛けている人は、メガネを外すと近くが見えるので自身は老眼でないと思っている人がほとんどで、歳をとっても老眼にならないとして、サプリの宣伝などに登場してくる人です。実際はメガネを掛ければ近くは見えない、外せば近くは見えるけど遠くは見づらいので老眼です。

若いときからメガネを常用している人は、メガネを掛けた状態で近くが見づらくなります。遠くがしっかり見えるメガネを掛けている人は45才くらいから、遠くの度を落としている人は50才くらいから。対策としては3つほどあります。近くはメガネを外してみる、近く用の度を落としたメガネを使う、遠近両用メガネを使う。

おススメは当然遠近両用メガネや中近メガネです。理由は目の負担を軽減し、掛け外しなしで遠くから近くまで見ることができるからです。

もう少しタイプ別に詳しく説明します。

正視の人は遠くは見えるので、遠近?と最初思われがちですが、手元用メガネは手元だけ見えるので、掛けたまま歩けませんし、掛けたまま遠くを見るとクラクラします。

遠視の人は、近くが見づらくなった何年か後に(あんなによく見えていた)遠くも見づらくなります。そうなると遠近両用メガネが必要となります。

弱い近視の人は、近くが見づらくなるのが、他の目の人より後ですが、遠くも近くもぼやけた状態で人生を送っています。遠近を掛ければ遠くも近くもよく見える別世界になります。

強めの近視の人は、老眼になって遠近を掛けている人の割合が他の目の人に比べて多いと思います。理由はメガネを外して近くを見るにはピントが近すぎるし、遠く用、近く用の2本使い分けるのは面倒くさいからです。またレンズを通してものを見ることに慣れているため、他の目の人より遠近に慣れやすいということもあります。

美容/健康/ファンクションとメガネ

☆彡美容とメガネ

・目から入る紫外線に反応してメラニン色素が生成され、肌が日焼け状態になると言われています。現在ほとんどのメガネレンズは(カラーをつけない透明でも)紫外線カットの仕様になっているので、外出時にメガネをかけることによってそのようなことが防げます。

 

☆彡健康とメガネ

・メガネなしで見えづらい状態でものを見ているのは眼精疲労や肩こり頭痛の原因になるとも言われています。

・外出時はメガネをかけていた方が、紫外線による目の疾患(白内障等)の予防になります。

 

☆彡ファッションとメガネ

・50代以降はプラスチックフレームなどのメガネをかけた方が若々しく見える場合があります。また、薄っすらレンズにカラーを入れることで目元が引き立ったり、小じわやくすみを隠したりします。男性も目元の魅力を引き立てることができます。

メガネの種類について

メガネの種類について、メガネの歴史なども少し混ぜながらの基礎知識を説明いたします。

A 単焦点メガネ

A-1 遠用メガネ(近視の人が遠くが見えづらいのを見やすくする)

A-2 近用メガネ(老眼で近くが見えづらいのを見やすくする)

*19世紀~現在 (発明はもっと遡りますが一般に普及した時期 以下同様)

B 境目のある遠近両用メガネ

遠用メガネの下部に近用メガネを貼り付け、老眼でも遠くも近くも見えるようにした

*20世紀前半~20世紀中ごろ(現在はほぼ絶滅)

C 境目のない遠近両用メガネ

遠用と近用の間に、連続して徐々に度が変わる累進帯という中間を設け、老眼でも遠くから近くまでスムーズに見えるようにした

*20世紀後半~現在 (普及が拡大している)

C’ 中近メガネ / 近々メガネ

上記の累進帯の技術を応用したメガネ

中近メガネ  遠近メガネの主に中間と近用部からなるメガネで、老眼でも室内程度の遠くから手元が見やすい、特に手元からPC画面くらいが遠近に比べてかなり広い視野

*1980年代~現在 (普及拡大中)

近々メガネ  手元からPC画面くらいの距離に特化したメガネ

*1990年代~現在 (あまり普及していない)

 

 

目のためになる話

目の基本的なことを知っておくといろいろ役に立ちます。「近視」「遠視」「正視」それに「調節力」です。目がリラックスした状態で近くにピントが合うのが近視、遠くに合うのが正視、どこにも合わないのが遠視、リラックスした状態から緊張させて(目の水晶体を膨らませて)近くにピントを合わせるのが調節力です。

調節力を使うと目は疲れます。それで30分に一回は遠くを見ましょう、とか言うのは緊張状態をほぐしましょうということです。

このことを応用して日々少しでも目を楽にする方法もあります。

例えばデスクワークや勉強、読書、ゲームのように近いところを長時間見るときの方法です。目から画面や本までの距離を仮に40cmとしてみましょう。40cmというのは調節力でいうと2.50です。

まず近視の人、弱めの近視の人はメガネをかけない状態が一番楽です。強めの近視の人は今かけているメガネから度を2.50弱くしたメガネ(例えば-4.00のメガネの人は-1.50のメガネ)をかけると楽です。

正視の人は2.50のメガネをかけると楽です。

遠視の人はご本人の遠視の度合い+2.50のメガネ(例え+1.00の遠視の人は+3.50のメガネ)をかけると楽です。(遠視の度合いはご自身ではわからないのでメガネ店や眼科で確認する必要があります)

このようにすれば長時間の仕事や勉強やゲームなどで、理論上は今までよりずっと疲れが軽減されはかどるはずです。

メガネのくもり対策

マスクをしてメガネを掛けるとメガネが曇るときがあります。

防曇レンズというものもありますが、それほど普及していません。

理由は、週に1回くらい専用のメンテ液を塗布する必要があるのと、普通のレンズ(最近は撥水加工付きが多い)より拭き上がりのさっぱり感がしない感じがします。(わかりづらい表現ですみません)

一般的には「くもり止め」が使われる場合が多いようです。メガネレンズに液体を付けて拭き上げます。1日くらいは効果が続きます。500円~1000円のあいだくらいでメガネ店で購入できます。

あと、マスクを少し上の方まで掛けると(メガネの下の方がマスクの上にのるイメージ)曇りづらい感じがします。

目の紫外線対策

お肌の紫外線対策は気にしても、目の紫外線対策を忘れていませんか?目から入る紫外線は、白内障や黄斑変性等、目自体への悪影響のほか、目の紫外線に肌が反応してメラニン色素を作るという報告も。だから、ふだんメガネを掛けない人も外ではメガネを掛けた方がいい、目のためには必要です。紫外線カットのサングラスもOK、必要がなければ度は入れずに、紫外線カットの透明あるいは薄い色付きレンズで、いわゆる伊達メガネもOK。メガネのフォーサイトは全製品紫外線カットレンズを使用、メガネ一式5000円(税別)からご用意しています。

あなたに似合うメガネレーム

先日、まちゼミで「似合うフレームの見つけ方」をテーマに講座を行ったところ大変多くの方にお集まりいただきました。講座ではセオリーとして、こんなお顔の形にはこんなメガネが似合うということを説明したあと、お一人ずつ実際に似合うフレームを掛けて確認してもらいました。

私自身9年前に開業したころは、セオリーを十分マスターしたあとそれに沿っておススメしていましたが、気が付くと直感でおススメしていて、また最初におススメしたフレームをお選びいただく確率が高くなっています。経験によって勘所がはまってきたような気がします。フレーム仕入れ時にいろいろなお顔を想像しながら仕入れるのも功を奏していると思いますが、考えてみれば多くの種類のフレームデータと人の顔の特徴のデータが集積されれば、この仕事も将来AIにとって代われるのでは、まだ人の熟練にかなわないけどお顔を撮影してフレームを合成して見てみるシステムはすでに開発されています。

今のところは私の方が上だと思うので、みなさんお気軽に「私に似合うフレームありますか?」とご来店ください。すぐ購入しなくてもまずは確認だけでも大丈夫ですよ。

市民タイムス投稿「目のこと早わかり」近視・老眼

今回はできるだけわかりやすく目のことを説明します。

目はとても強い凸レンズで光を屈折させ目の奥の網膜に結像させます。強さはとりあえず+60Dとします(実際は目のレンズの強さと網膜までの距離が関係しますがここでは単純化して+60Dとします)

遠くが見づらい人は近視ですが目が+60Dよりさらに強い人です。網膜より手前で結像してしまうためぼやけます。例えば+63Dの目の人はメガネやコンタクトで‐3Dの凹レンズを掛ければ相殺されて+60Dになるためよく見えます。処方箋などに‐3.00などと書いてあると思いますがメガネの度で、このことです。

近くを見るときは無意識にですが目のレンズの度を強くしています。例えば33cm=0.33mを見るためには目を+63Dにしています。+3は0.33の逆数です(1÷0.33=3)50cmを見るのなら1÷0.5=2で目を60+2=+62Dにしています。

この無意識に瞬時に近くにピントを合わせる機能を調節力といい、この衰えが老眼です。水晶体の硬化や目の筋肉の衰えで水晶体を膨らませて目の度を強くできなくなります。この場合のメガネはお手元用メガネか遠近メガネです。郵便局などにあるメガネに強+3.00 中+2.00 弱+1.00などとあるのは、33cmを見るときに必要な+63Dの目にするため、50才前後の人なら自分の調節力+2に足りない分をメガネ+1で補います。60代後半以降で調節力がなくなってくると+3のメガネです。

この時にポイントがあります。調節力というのは目のレンズを強くできる機能で弱くはできません。だから+63Dの近視の目の人は自力で弱くして+60Dにはできないので遠くを見るときメガネが必要です。メガネを外せば+63Dでちょうど33cmにピントが合います。ちなみに郵便局のメガネは普段メガネを掛けていない人用で、普段メガネを掛けている近視の人は老眼になると遠くがよく見えるメガネより弱めのメガネで近くが見えます。

(ややこしくなるので今回は遠視と乱視のことは省いています)

クラシカルなメガネ

最近、テレビを見ていて、丸みのあるシェイプのクラシカルなメガネを、オシャレに掛けこなしている男性が目につきます。当店でも以前から、何本か丸メガネやクラシックタイプのメガネをご用意していますが、今回いろいろな形のものを仕入れてみました。

私自身はあまりこういうタイプは似合わないかな、という先入観があったのですが、何本か試してみて、自分でいうのも何ですが、結構いい感じでした。ということは、このタイプのメガネは、多くの方に楽しんでいただけたり、以外に似合う方が多いのではと思います。

セルフでズームで撮ったので、少しピントが合っていませんが、参考にしてみてください。比較のため、少し色の着いている浅いウェリントンタイプのメガネが、普段のメガネです。

クラシカルなシェイプのメガネ

普段のメガネ(比較のため)