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シニアの快適視生活講座

◇◇ 遠近両用レンズの性能と価格 ◇◇

 

前回、SEIKOを例に製品ラインナップを説明しましたが、今回は実際の価格と性能について説明したいと思います。

高性能とは、一言でいうと「物がはっきり見える明視域が広い」ということで、別の言い方では、遠近や中近レンズの宿命である「側方(両横)のぼやけや、ゆがみが少ない」ということです。

大分類として「外面累進」「内面累進」「両面制御設計」に分けられ、共通の累進面を使用する外面累進に対し、現在主流の内面累進は、一人ひとりに合わせた設計で作られ、また両面制御は内面累進の進化版で、より明視域が広くなっています。かつての主流の外面累進は、遠近メガネ一式1万円台など、格安メガネで残っていますが、当店では内面累進がスタート価格で、SEIKOヴィジオの薄型が、2枚税込み15,400円、インテグラルNSが20,900円です。(以下共通ですが、超薄型など高屈折素材は数千円プラスとなります。)インテグラルは、使用するメガネフレームの形状が一部反映されたレンズ設計になります。

両面制御では、パシュートNV-Xが26,400円、CV-Xが31,900円、AC-Xが49,500円です。NV-Xはフレームの形状が一部反映され、CV-XやAC-Xは、フレームの形状、前傾角(レンズの傾き)、フロント角(フレームのソリ角)、頂点距離(目とレンズの距離)なども反映した設計となり、累進帯の長さも1mm単位で選べます。AC-Xはシャープ、ナチュラル、ソフトなど設計も選べます。ヴィジオ~NV-Xは、前傾角10°、頂点距離12mm等、標準値で設計されており、標準との差は反映されません。とはいえ、内面累進以上のレンズなら、それほど使いづらいということはないと思いますが、老眼が進んでくると上位製品の方が使いやすいと思います。

さらに上位に、SEIKOスペリオールという製品がありますが、性能的にはAC-Xと大差はないように思われます。

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◇◇ 累進レンズの製品体系 ◇◇

 

累進レンズとは、境目のない遠近両用レンズや中近レンズのことです。

今回は、具体的に遠近や中近がどのような製品ラインナップになっているのか、SEIKOのレンズで紹介します。HOYAやNIKONも名称は違いますが、似たようなラインナップになっています。

製品群は大きく分けて「内面累進レンズ」と、その進化系の「両面制御設計レンズ」に分けられます。「内面累進」には、製品名で「ヴィジオ」「インテグラルNS」「インテグラルCS」の3グレード、「両面制御」に「パシュートNV-X」「パシュートCV-X」「パシュートAC-X」の3グレード、最上位に「セイコースペリオール」という製品があります。

上位製品は、使用者に合わせて選べる機能が増えていきます。例えば、シャープな見え方とマイルドな見え方が選べる等。また、それぞれの方の装用条件(レンズと目との距離、フレームの角度など)を反映して、装用者に最適のレンズが作られる、いわゆるカスタマイズができ、その結果、側方部のゆがみが減ったり、レンズを通して見る「もの」の大きさや形の変形が抑えられて、自然な見え方になったりします。

それぞれの製品の中には、(例えばインテグラルNSの中に)、「オールラウンド」「タウン」「オフィス」「ルーム」の四つ製品があります。「オールラウンド」は従来からの遠近、「タウン」は中間(50cm~1mくらい先の見え方)を少し広くした遠近、「オフィス」は中間重視の中近、「ルーム」は手元重視の中近です。

遠近メガネのクラクラ感を改善

【50代女性】

【主訴】遠近メガネは何本か試したがいつもクラクラして掛けていられない

【原因】この方は鼻梁が高く普通に掛けるとどんなメガネも目から離れて掛かる 目とレンズが離れているとレンズの両端にある収差エリア(ゆがんだり、ぼやけたりする部分で通常は目線があまりここに入らないように作る)に目線が入り視野の狭さや像のユレを感じる

【解決方法】

鼻パットの位置を調整し、できるだけ目とレンズの距離が縮まるようフィッテイングをしたところ、遠近メガネをかけられるようになった

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◇◇ 乱視について ◇◇

乱視の場合ものがぼやけて見えたり二重に見えたりします。乱視は目のレンズ(角膜、水晶体)が球面でない状態で、正乱視と不正乱視があります。正乱視はラグビーボールのような形状の目で、角膜に強いカーブと弱いカーブがあって一点で結像しません。メガネやコンタクトレンズで矯正できます。不正乱視は角膜が不規則な形をしていて、ハードコンタクトレンズや手術によって矯正できる場合があります。

ものがぼやけて見えるということでは近視と共通ですが、近視の場合は遠いところはぼやけますが、近いところはぼやけずに見えます。一方乱視の場合は遠くも近くもぼやけて、ぼやけずに見えるところがありません。ただし弱めの乱視はそれほど視力に影響なく、ご自身も気が付きません。乱視は成長期に乱視になる場合(遺伝的要素大)と、パソコンやスマホの見すぎ等目のおかれた環境や加齢でなる場合もあるといわれています。

前述のように正乱視の目は強い度(カーブ)と弱い度(カーブ)が検出されるということは、焦点が2つあり、網膜より手前に二つの焦点がある場合が近視性の乱視、網膜を挟んで2つの焦点がある場合が近視と遠視の混合乱視、理論上網膜の後ろに2つの焦点がある場合が遠視性の乱視です。すなわち近視や遠視と組み合わさって乱視があるということです。

上記の正乱視の場合、角膜が横長のラグビーボールのような形をした直乱視と、縦長の倒乱視、斜めの斜乱視があります。直乱視は垂直の線ははっきり見え水平の線がぼやけます。倒乱視はその逆です。

乱視かどうかは眼科やメガネ店での検査でわかります。

メガネを変えたら以前より目が疲れる

【40代男性】

【主訴】(他店で)メガネを変えたところ以前より目が疲れる

【原因】(左右で度が違う)不同視の方で、左右の度の差が比較的大きいが検眼で確認された左右それぞれの度でメガネが作られていると思われる

【解決方法】不同視で左右差が大きい場合は、度の強い方の目の度を少し下げて両眼視しやすいように作るとかけやすいメガネになる場合があるので、そのようにメガネを作り直したところ、別件で一週間後に来店された際、以前より疲れないことが確認できた

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◇◇ 便利なメガネの紹介 ◇◇

遠近両用メガネは老眼に対するマルチなメガネで、これ1本で日常生活を過ごしている方が多くいます。一方、服や靴もファッション面と機能面で着替えるように、メガネもファッション面でTPOに応じて複数持っている方もいますが、今回は機能面でシニアの視生活をより快適にするためのメガネを紹介したいと思います。

まず、この誌面でも何回か紹介していますが、長時間のデスクワークや、細かいものを見る場合、中近メガネがあると格段に快適です。中近メガネは種類がいろいろあるので、ご自身の主な使用環境をメガネ店で具体的に伝えることが肝要です。また寝転んで本やスマホ・タブレットを見るような場合は単焦点の手元用メガネがあると楽です。中近は遠近と同等の価格ですが手元用は比較的安価です。

アウトドアには遠近サングラスがあると目の保護にもなります。この場合近くより遠くの視野が重要なので遠くが広く見える遠近にすると快適です。また遠近サングラスには光の乱反射を制御してよりくっきり見える偏光サングラスタイプもあり、釣りやゴルフやドライブにおススメです。

これだけでも4本になり、かけ替えなどが面倒くさそうだなあという方に1本で済ませる方法として、遠近と中近の中間くらいの見え方で、室内では透明、屋外ではサングラス(調光)というメガネがあります。遠近と中近の機能を兼ね備えているといういい面に対して、遠近より少し遠くが狭く、中近より少し手元が狭いという見方もできますが、今この原稿をそのメガネをかけてノートPCで打っていて、普段使っている中近に比べてそれほど使いづらいということはありません。また調光は室内で普通の(透明な)遠近メガネとして使えますが、外から屋内に入ってから色が消えるまでに数分かかります。

レイバンサングラス新作等多数入荷

人気ブランドのレイバンサングラスの最新モデルを多数入荷。数あるレイバンサングラスの中から店主がデザインとかけ心地を厳選したものを取り揃えました。まぶしさや紫外線対策として必須アイテムのサングラス、サングラスのナンバーワンブランドとしてデザインや機能面でサングラス界をリードしているレイバンの最新モデル、ぜひ店頭にてご試着ください。

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◇◇ 検眼について ◇◇

メガネを買いに行くとフレームを選んだあと検眼を行います。正確にはメガネの度を決めるために行う医療行為を含まない目の測定です。何度もメガネを作っている人は何をするかわかっていると思いますが、今回はその内容と何のために行っているのかということを簡単に説明し、メガネ店行くときの前知識として役立てばと思います。

レンズの度を決めるための目の測定は、ほとんどのメガネ店では自動機を使って測定します。最初は、覗くと道の向こうに気球の絵が見える機械で、自動でその人に必要なメガネレンズの度が測れます。そのあと大きな双眼鏡のような機械を覗いて正面1.1mにある画面を見ます。最初に赤背景と緑背景の中の黒い部分がどちらがよく見えるかと聞かれると思います。これは右目左目の順に近視や遠視の測定をしています。そのあと黒い複数の丸が最初と次でどちらがよく見えるか、もしくは放射線を比較して他よりはっきり見える線があるか、のどちらかの検査が行われます。これはどちらも乱視の測定をしています。乱視補正が必要ない場合はこの検査は省略されます。それからひらがなか、丸の切れ目の方向を見る視力測定が行われます。この一連の検査で左右それぞれの目の完全矯正値(その人が遠くが一番よく見えるレンズの度)を確認します。そのあとは左右の見え方のバランスをとったり、必要に応じて完全矯正値より度を弱めたりします。あと老眼の進み具合の測定は縦横複数の線があるチャートを見てどちらが鮮明か確認していきます。最後はテストメガネを掛けて見え方の確認をします。

これらが主な検査内容ですが、あまりかたくならずリラックスして指標を見ることと、検査する人の質問にそった内容で答えることがポイントです。

レイバン眼鏡フレーム多数入荷

人気の眼鏡ブランド「レイバン」の新作フレームを多数入荷しました。

日本人の顔の形に合わせてかけやすくしたシリーズや、今までより斬新なデザインのフレームなど、現在総数30本余り店頭にあります。主に男性に人気のブランド眼鏡ですが、今回女性にも楽しんでいただけるようなデザインも用意しました。

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◇◇ メガネレンズ開発の歴史 ◇◇

 

現在主流のプラスチックレンズや境目のない遠近両用レンズ(累進レンズ)は半世紀以上の歴史がありますが、1980年代から90年代が大型開発のピークで、ここ数十年は大きな開発はなされていません。主にセイコーエプソン光学事業部(現HOYA)で開発され、私事ですが1986年~2008年まで光学事業部に在籍し直接携わることができました。

具体的には素材と設計の大型開発がこの時期に集中し、その後はブルーライトカットなどのコーティング関係や設計のリニューアルなど小型の開発が中心になっています。

素材は、長らく屈折率1.50のモノマー(原料)が主流でしたが、80年代から90年代にかけて一気に1.60、1.56、1.67、1.74の順に開発され、より薄く軽く仕上がるようになりました。1.74のモノマーが開発されてから30年以上さらに高屈折のモノマーは開発されていません。現在の主流は1.60=薄型レンズとなっています。

設計は、単焦点は球面レンズ、遠近は外面累進が主流でした。80年代に、より薄くよりゆがみの少ない非球面レンズが開発され、90年代にさらに両面非球面レンズが開発されました。現在の主流は非球面レンズです。累進レンズは80年代に中近が開発され、90年代に内面累進が開発されました。この内面累進の誕生はその後を左右する大きな開発となっています。それまでガラス型に累進面を作りその転写により、(レンズの裏表の)表面に予め累進面(遠近設計)をもつプラスチックレンズを用意しておき、個々の注文に応じて近視や遠視の度数を裏面を研磨して仕上げていました。内面累進は累進面と近視や遠視などをすべての要素を一つの面に複合設計しそれをフリーフォームマシンで仕上げるという、設計と生産の技術革新がなされました。その後の新製品はこの技術の応用で、設計のリニューアルや使用者の個別パラメータを取り込んだインディビジュアル化が行われています。

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