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シニアの快適視生活講座

◇◇ 検眼について ◇◇

メガネを買いに行くとフレームを選んだあと検眼を行います。正確にはメガネの度を決めるために行う医療行為を含まない目の測定です。何度もメガネを作っている人は何をするかわかっていると思いますが、今回はその内容と何のために行っているのかということを簡単に説明し、メガネ店行くときの前知識として役立てばと思います。

レンズの度を決めるための目の測定は、ほとんどのメガネ店では自動機を使って測定します。最初は、覗くと道の向こうに気球の絵が見える機械で、自動でその人に必要なメガネレンズの度が測れます。そのあと大きな双眼鏡のような機械を覗いて正面1.1mにある画面を見ます。最初に赤背景と緑背景の中の黒い部分がどちらがよく見えるかと聞かれると思います。これは右目左目の順に近視や遠視の測定をしています。そのあと黒い複数の丸が最初と次でどちらがよく見えるか、もしくは放射線を比較して他よりはっきり見える線があるか、のどちらかの検査が行われます。これはどちらも乱視の測定をしています。乱視補正が必要ない場合はこの検査は省略されます。それからひらがなか、丸の切れ目の方向を見る視力測定が行われます。この一連の検査で左右それぞれの目の完全矯正値(その人が遠くが一番よく見えるレンズの度)を確認します。そのあとは左右の見え方のバランスをとったり、必要に応じて完全矯正値より度を弱めたりします。あと老眼の進み具合の測定は縦横複数の線があるチャートを見てどちらが鮮明か確認していきます。最後はテストメガネを掛けて見え方の確認をします。

これらが主な検査内容ですが、あまりかたくならずリラックスして指標を見ることと、検査する人の質問にそった内容で答えることがポイントです。

レイバン眼鏡フレーム多数入荷

人気の眼鏡ブランド「レイバン」の新作フレームを多数入荷しました。

日本人の顔の形に合わせてかけやすくしたシリーズや、今までより斬新なデザインのフレームなど、現在総数30本余り店頭にあります。主に男性に人気のブランド眼鏡ですが、今回女性にも楽しんでいただけるようなデザインも用意しました。

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◇◇ メガネレンズ開発の歴史 ◇◇

 

現在主流のプラスチックレンズや境目のない遠近両用レンズ(累進レンズ)は半世紀以上の歴史がありますが、1980年代から90年代が大型開発のピークで、ここ数十年は大きな開発はなされていません。主にセイコーエプソン光学事業部(現HOYA)で開発され、私事ですが1986年~2008年まで光学事業部に在籍し直接携わることができました。

具体的には素材と設計の大型開発がこの時期に集中し、その後はブルーライトカットなどのコーティング関係や設計のリニューアルなど小型の開発が中心になっています。

素材は、長らく屈折率1.50のモノマー(原料)が主流でしたが、80年代から90年代にかけて一気に1.60、1.56、1.67、1.74の順に開発され、より薄く軽く仕上がるようになりました。1.74のモノマーが開発されてから30年以上さらに高屈折のモノマーは開発されていません。現在の主流は1.60=薄型レンズとなっています。

設計は、単焦点は球面レンズ、遠近は外面累進が主流でした。80年代に、より薄くよりゆがみの少ない非球面レンズが開発され、90年代にさらに両面非球面レンズが開発されました。現在の主流は非球面レンズです。累進レンズは80年代に中近が開発され、90年代に内面累進が開発されました。この内面累進の誕生はその後を左右する大きな開発となっています。それまでガラス型に累進面を作りその転写により、(レンズの裏表の)表面に予め累進面(遠近設計)をもつプラスチックレンズを用意しておき、個々の注文に応じて近視や遠視の度数を裏面を研磨して仕上げていました。内面累進は累進面と近視や遠視などをすべての要素を一つの面に複合設計しそれをフリーフォームマシンで仕上げるという、設計と生産の技術革新がなされました。その後の新製品はこの技術の応用で、設計のリニューアルや使用者の個別パラメータを取り込んだインディビジュアル化が行われています。

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◇◇ メガネレンズの選び方 ◇◇

メガネ店でメガネレンズを選ぶときに参考になる内容を説明したいと思います。近視や遠視、乱視などの単焦点レンズは、球面レンズから非球面レンズそして両面非球面レンズと進化してきました。また遠近両用レンズや中近レンズは、外面累進レンズから内面累進レンズそして両面制御設計レンズと進化しています。

単焦点レンズは度がそれほど強くなければ非球面レンズがよく、度が強い場合は両面非球面レンズがいいと思います。球面レンズに比べて非球面レンズは周辺部のゆがみが抑えられているのと薄く仕上がります。両面非球面レンズはさらに周辺部がゆがまず、薄く仕上がるレンズです。厚さやゆがみが気になる強度の人は両面非球面レンズがいいと思います。

遠近や中近は内面累進レンズや両面制御レンズがおススメです。内面累進は外面累進に比べて周辺部のぼやけやゆがみが少なく目線移動時のユレも少なくなっています。両面制御設計はベースは内面累進でさらに自然な見え方を追求した新しいレンズです。あと単焦点レンズも遠近レンズもレンズの素材で標準、薄型、超薄型などと別れています。これはレンズの屈折率の違いで、屈折率1.50や1.56が標準、1.60が薄型、1.67が超薄型、1.74が最薄とか極薄と書かれていたりします。

店でレンズを選ぶときにレンズの価格表を見せられると思います。一般に想像以上に種類があってよくわからないと思いますが、上記を参考に、度が強くなければ「屈折率1.50~1.60」度が強ければ「1.67以上」、単焦点なら「非球面」度が強ければ「両面非球面」、遠近や中近なら「内面累進」か「両面制御」(両面複合という場合もある)とキーワードだけ覚えておけば結構簡単に選べると思います。

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◇◇ メガネレンズのコーティングについて ◇◇

 

メガネレンズの構成要素として「素材」「設計」「コーティング」があります。素材はプラスチック樹脂の種類で、屈折率別で5種類ほどあります。設計はレンズをその人に必要な度に仕上げることです。

今回はコーティングについて説明します。コーティングのうち、反射防止コート、キズ防止コート、汚れ防止コート、紫外線カットは現在ほぼ標準装備されています。オプションとして有料加算されるのは、多い順に、まずカラーリングとブルーライトカットです。カラーの目的は目元のおしゃれとまぶしさ防止です。いろいろな色や濃さが選べます。色や濃さは微妙な違いがあるので、店で用意しているサンプルを見ながら店の人に相談するといいと思います。ブルーライトカットは可視光線の中でエネルギーが一番強い短波長の領域を30%程度カットして、目の疲れをやわらげる効果があります。

あと、物理的な内容と光をコントロールする内容があります。物理的には、表面を固くしてよりキズがつきづらくするコートと、曇りづらくする防曇コートがあります。防曇コートは反射が気になったり、汚れがふき取りづらかったりするのでどうしても必要な人が選ぶ感じです。光のコントロールとしては、調光コート、偏光コート、防眩コートなどがあります。調光は室内では透明、屋外では色が着くレンズです。注意点は、車の中ではあまり色づかない、着色は数十秒だが退色は数分かかるということです。偏光は乱反射をカットし物がはっきり見えるサングラスで、釣り、ゴルフ、ドライブ、ハイキング等で重宝します。防眩コートは夜間の対向車のライトのまぶしさを軽減したり、ものがはっきり見える効果があります。

遠近メガネで首を少し横に曲げた方が手元見やすい

【50代男性】

【主訴】遠近メガネで首を少し横に曲げた方が手元見やすい

【原因】目とレンズの位置関係がずれている

【解決方法】①PDを左右で正確に測定すると右33mm左34.5mmと左右差あり ②目とレンズの距離が左が近く右が遠かった

【解説】遠近メガネは遠用部は比較的広いが、中間部や近用部はそれほど広くないので、目とレンズの位置関係がずれていると、度が合っていても近くが見づらく感じる場合がある

 

 

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◇◇ 老眼とメガネ ◇◇

 

老眼には遠近両用メガネをお勧めします。なぜ遠近メガネか一言でいうと便利だからです。老眼になると普段メガネを掛けていない人は手元が見づらくなり、老眼鏡が必要となります。老眼鏡は近くだけにピントが合うので遠くは外して見る必要があり、掛け外しが結構大変で、それで掛け外しのない遠近メガネが便利です。また普段メガネを掛けている近視の人は老眼になるとメガネを外して近くを見ます。メガネを外すと遠くは見づらいのでこの場合も掛け外しが頻繁で、掛け外しのない遠近メガネが便利です。

遠近メガネ使用によるデメリットはありませんが、しいて言うならば最初に遠近メガネを掛けるときに慣れが必要な人もいます。この「慣れ」については老眼になり始めのうちに遠近メガネにすると簡単に慣れられます。老眼の進行が進んでから初めて遠近メガネを掛けると慣れるのに日数がかかる場合があります。

すでに遠近メガネを掛けている人が見づらさを感じる場合は2つ原因が考えられます。掛けているうちにメガネが緩んだり、ぶつけたりしてメガネがずれている場合です。遠近メガネは目とメガネ(レンズ)の位置関係が非常に重要で、メガネのずれは見え方に影響します。また老眼は進行するので3年くらいたつと度が合わなくなって見づらい場合があります。この場合近くが見づらくなりますが、老眼の影響で近視が少しやわらいだり、少し遠視気味になると以前より目の疲れを感じる場合があります。いずれもメガネ店に行けば確認できます。

50代後半以降は老眼もだいぶ進むので、場合によっては遠近メガネでのデスクワークや室内作業に不具合を感じる場合があります。このような時は遠近メガネと中近メガネを併用することにより改善します。60代中ごろには老眼は進み切る形で、その後見え方の変化は少なくなります。このころに以前より見づらさを感じる場合は白内障等の可能性もあります。

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◇◇ 第五回 メガネ購入後のアドバイス ◇◇

初めて遠近メガネをかけた場合や、今までと度や設計を変えた場合、すぐになじむ方も多いのですが、違和感がある方もいます。目は(脳の視覚野は)今までの見え方に適応していて、今までと違う見え方に慣れが必要な場合があることが原因です。そのためそういう場合は、適正に作られたメガネなら2、3日から1週間くらいで快適に使えるようになります。そういう期間を持った上でまだ違和感がある場合はメガネ店に相談してください。だいたいのメガネ店は3カ月程度保証期間を設けていて、仮にレンズを交換する必要がある場合も追加料金なしでできるところが多いと思います。

メガネを使っていると、メガネをぶつけてしまったり、踏んでしまったり、修理が必要になることがあります。メガネフレームは大雑把に言って、曲がった、外れた、といった内容は店で修理可能ですが、切れた、折れたといった内容は修理工場での修理になるか、素材によっては修理不可能です。レンズ自体のキズやコート剥がれやカケはすべて修理不可能なのでレンズ交換になります。

もう少し具体的に説明しますと、まず店でなおせる内容として、メガネは何か所かネジがついていますがネジがゆるんだり外れたりして、例えばテンプル(フレームのツル)が外れてしまったり、レンズが外れてしまってびっくりするかもしれませんが比較的簡単になおせます。また曲がってしまった場合もだいたいなおせますが、戻す過程で金属が切れてしまうこともたまにあります。下だけふちのないタイプでレンズが外れた場合もなおせます。店での修理は購入した店でなら大体のところはアフターサービスとして無料だと思います。

次に修理工場でなおせる内容ですが、まず修理工場でなおす場合は2週間程度かかる場合が多く、費用も修理内容によりますが三千円~八千円程度かかります。切れた、折れたという場合、金属フレーム、アセテートのフレーム(セルフレーム)の場合は修理可能ですが、形状記憶の合成樹脂の場合は修理不可です。修理工場へはメガネ店での取次になります。

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◇◇ 第四回 メガネ購入時のアドバイス ◇◇

遠近メガネや中近メガネを購入する際の注意点を説明したいと思います。

メガネフレームを選ぶとき、遠近メガネを快適に使うための機能面でのチェックポイントとして、メガネの上下の真ん中より少し上にご自身の瞳がくるくらいがベストです。だいぶ上の方に瞳がある場合は遠近の遠用部を狭く作らざるを得なくなるか、近用部までの視線が遠くなり、遠方視野が狭くなったり、近くが見づらくなります。また、あまり瞳が下の方にきていると近用部が狭くなります。

あとメガネが目にだいぶ近いと、これも近用部に視線がとどかなく近くが見づらくなりますし、まつ毛が当たったりしていると不快です。メガネが目から離れすぎていると側方の「収差」が目線に入り気になるかもしれません。これらはフィッテイングである程度改善できるので店の人に相談してみてください。

レンズの数字の基礎知識を覚えておくと参考になります。特にCという文字のあとの数字は乱視の強さで、近視や遠視の度にくらべ検眼者の裁量が大きな数字です。しっかり乱視補正をすると目がクラクラするということもあり、検眼者に確認したりテストメガネで体感するといいと思います。もう一つは加入度(ADD)という数字で、これは老眼の進み具合で変わる数字ですが、だいたい年齢に比例します。40代後半で0.75~1.00、50代前半で1.25~1.50、50代後半で1.75~2.00、60代前半で2.25~2.50、60代後半以降2.50~3.00、検眼では少し強めに出る傾向があり、強すぎると近くはよく見えますが慣れづらかったり視野が狭く感じる場合があるので、ご自身の年齢と平均的な加入度を記憶しておき実際の数字を確認していくといいと思います。

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◇◇ 第三回 メガネ購入時のアドバイス(フレーム編) ◇◇

メガネフレームの素材は、金属(チタン、合金)と樹脂(アセテート、合成樹脂)に分けられます。チタンは軽くて丈夫で、ベータチタンのようにバネ性(形状記憶)のあるものもあり、おススメの素材です。価格は合金より高めですが最近は比較的お求めやすい価格になってきました。合金はチタンより少し重量があります。また、金属アレルギーのある人には向いていませんが、安く購入できます。アセテートはセルフレームと言われて植物性の樹脂でできています。デザインや色が多様で見た目も美しく、低価格~ブランド品(一般に高価格)まで多様です。石油由来の合成樹脂は、軽くて弾力性があり、かけ心地がいいものが多く価格も比較的安価です。

産地は、低価格品の多くは中国で、日本製は比較的高価です。一部イタリアなど欧州製がありますがブランド品が多く高価です。産地にかかわらず有名ブランド品のほとんどは高価なフレームです。

性能や品質は、日本製は一般的には高性能で長持ちします。日本製のチタンフレームを選んでおけばほぼ間違いありません。中国製は品質にバラつきがあるような気がします。中には雑な作りのものも見受けられます。欧州製はデザイン重視だったり白人の顔の造作に適しているものなどが見受けられますが、非常にいい製品もあります。樹脂フレームでアセテートは鼻パットがついてないものが多いので掛けたときに鼻元のフィット感がよいか(ずり落ちないか)確認する必要があります。特に遠近や中近メガネにする場合はここのフィット感は重要です。合成樹脂はかけ心地のいいタイプが多いと思いますが、耐久性としては他に比べ低いものもあるので長く使う方は注意が必要です。

度の強い人に適さない横幅が広いフレームや、遠近に適さない縦幅が短いフレームなどもあるので、決める時は店の人に確認してもらうとよいかと思います。

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