市民タイムス6月掲載「知っておきたい遠近両用メガネの話」 第2話

第2話 「快適な遠近メガネにするためのキーポイント」

遠近両用メガネは遠くから手元までピントが合うので、生活シーンのほとんどをカバーする便利なメガネです。最近手元が見づらいと感じ始めた方や、すでに遠近両用メガネを掛けているけれど、どうも見えづらいといった方がいると思います。

<快適な遠近両用メガネの3つのポイント>

お使いの遠近両用メガネに不具合を感じる場合、3点ほどチェックポイントがあります。1つは、目の中心とレンズの焦点の位置、目とレンズの距離、レンズの傾き具合等、目とメガネの位置関係が適切でない場合です。この場合は、メガネを変えなくても調整を正確にしなおせば解決する場合があります。2つ目は、レンズの設計が合っていない場合です。レンズメーカーは何社もあり、各社がいろいろな設計のレンズを出しているので、メガネ店が、使用者に一番合った設計を選択する必要があります。例えば、近いところを見る時に、レンズの累進帯長(レンズ上部の遠くを見るエリアと下部の近くを見るエリアを結ぶなだらかに度が変化していく部分の長さ)が長くて、目線がレンズの近くを見るエリアにとどかないといった事例は時々確認されます。レンズ設計が合わない場合は、レンズを替える必要がありますが、目の状況や使用環境に合った設計のレンズに変えるとかなり快適な見え方になります。3つ目は、度数が合っていない場合です。老眼は進行するので、その結果度が合わなくなったりします。また、老眼の進行と共に従来より少し近視の度合いが弱くなることもあり、以前のメガネだと目に負担がかかっていることがあります。

<初めて遠近両用メガネ>

初めて遠近両用メガネを掛けて見ようか、という時は何かと不安があるかと思います。私は年に2回行っているセミナーで、遠近両用メガネをテーマに、老眼のメカニズム、遠近両用メガネの構造、慣れ方や使い方のコツ、などを説明していますが、店舗で実際にお作りする時もそれぞれのポイントをご説明しています。前述の3つのポイントが適切に作られていることと、初めての場合は慣れて使えるようになるということも重要なポイントとなるので、目の状況や、今までメガネをかけていたかいなかったかなど、おひとりずつのケースで工夫が必要になります。そして、慣れ方について脳のしくみも交えてお話しています。

<メガネでオシャレを楽しむ>

メガネは視力的に目に合っていることが前提ですが、ファッション的に似合っていることも重要なポイントだと思います。遠近両用メガネが必要な世代は、エイジングケアに関心がある人も多いと思います。メガネのデザインや色により、だいぶ若々しい印象にできます。また、レンズにうっすら色を入れる事で、小じわやくすみを目立たなくすることができ、オシャレの重要なアイテムともなります。


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