累進レンズ(遠近、中近)の進化のポイント

遠近や中近などの累進レンズは、境目がなく遠くから近くまでピントが合う便利なメガネで、老眼を快適に過ごすのに必須ですが、欠点としてはレンズの側方に収差(ボヤケやゆがみ)が発生することで、この収差を改善して明視域を広げることが累進レンズの進化の目的や結果となっています。

その時のキーが「設計自体の進化」と「カスタム化」です。

設計自体の進化とは、20世紀まではすべて「外面累進レンズ」でしたが、20数年前SEIKOが「内面累進レンズ」の開発に成功し、さらに最近は「両面複合累進レンズ」が設計の最先端になっています。簡単に解説すると、外面累進レンズはレンズの「おもて面」が既成の累進面で、「うら面」を研磨して使用者ごとの近視や乱視の度を作ったレンズです。一方内面累進レンズは、うら面に使用者ごとに、累進、近視、乱視などを統合した最適設計を配置します。両面複合レンズは内面累進レンズをベースにさらにいろいろな設計の工夫がされたレンズです。一つ一つの技術の進化は高難易な内容ですが、結果的に明視域が広がり快適な視界になります。

内面累進レンズの開発の成功には2つのパラダイムの転換があり、超複雑なレンズ面を設計する技術が開発されたことと、それを物理的に作り出す3次元切削研磨加工技術が開発されたことです。

2つめの累進レンズのカスタム化ですが、外面累進から個人ごとに設計製作する内面累進に進化したこと自体が累進レンズのカスタム化そのものですが、最近のカスタム化は、上記の設計と生産の技術を使い使用者ごとにさらに最適な累進レンズを作ることです。具体的には、これまでの使用者の基本情報(近視度数、乱視度数、加入度数、累進帯長等)に加えて、装用情報や使用条件の情報を加味することです。代表的な内容としては装用時のフレームの前傾角や反り角、頂点間距離(瞳とレンズの離れ具合)などが反映されたレンズになります。

メガネのフォーサイトでは、内面累進レンズと両面複合累進レンズを扱っており、グレードは4段階に分けています。

1.内面累進レンズ 2.セミカスタム内面累進レンズ 3.カスタム両面複合累進レンズ 4.フルカスタム両面複合累進レンズ


コメントは受け付けていません。