シニアの快適視生活講座
◇◇ 第二回 メガネ購入時のアドバイス(レンズ編) ◇◇
今回はレンズに関してメガネ購入時のお役立ち情報をお送りしたいと思います。レンズは大きく分けると2種類あります。一つは「単焦点レンズ」というもので、用途は近視や遠視や乱視補正、お手元用です。もう一つは「多焦点レンズ」で遠近や中近など老眼補正です。
両方に共通していることとしてレンズの素材区分があります。薄型や超薄型などと呼ばれていますが、主に5種類あり、レンズ素材の屈折率(1.50、1.56、1.60、1.67、1.74)の違いで、数字が大きいほど同じ度でも薄く軽く仕上がりますが、一般的には価格も上がります。ここでのコツは、度の弱い人は高屈折のレンズにする必要はないということです。素材に関しては、値段が高い方がいいだろうということではなく、その人の度に合った屈折率でいいということです。
あと遠近や中近についてのコツになりますが、遠近や中近は屈折率によるグレードの違いと設計によるグレードの違いがあり、設計によるグレードの違いの方が価格差が大きくなっています。ハイグレード品は性能もよく快適ですが、ハイグレードでなければダメということはありません。老眼の進み具合は初期(40代~50代初)、中期(50代)、後期(60代以降)となりますが、老眼の進行に伴い遠近や中近レンズの上部(遠くを見る度)と下部(近くを見る度)の差(加入度)をだんだん大きくする必要があります。初期で加入0.75~1.25、中期で1.50~2.00、後期で2.25~2.75、加入度が大きくなるとレンズの側方部(両端)の収差(ボケ、ゆがみ)が大きくなり明視域が狭くなります。この時にハイグレード品の方が快適な視界になります。初期の段階ではグレードの差による見え方の差は中期以降より少ないので、どうしてもハイグレードにしなくてはいけないということはないと思います。